正確に言えば、我が家のシステムキッチンの中にはオーブン兼レンジというのが組み込まれていて、レンジが無いわけではないのですが、使い慣れていないこともあり、使っていない、ということです(ちなみにレンジは、すごく電力を使うらしい・・・)。
どうして、こんなに便利なのもの使わないの?と、つっこまれそうですが、熱が加わればいい、ということで「蒸す」とか「焼く」とか「煮る」という作業で、これまで特に不自由を感じないで、きてしまいました。(そのかわり鍋をよく洗っています・・・。電子レンジの問題点については、色々言われてきているようですが、ここでは特に触れません。)冷凍食品は、少し自然解凍して、おもむろにオーブンへ。十分に美味しく、温まります。冷ご飯は蒸し器へ、あるいは雑炊へ、あるいはチャーハンに、あるいはオムライスに・・・という具合です。火力はガスですが、グリルも結構使えます。
ですので、これまで「電子レンジを使ったレシピ」はご縁が無いのが現状です。学校の家庭科でそういうことも教えるそうでして、忙しく働く方々にとっては、電子レンジは必需品かもしれません。ですが、停電の多いインドじゃ、電子レンジの機能は果せるのかしら、とも思う私です(笑)。さて、インドの伝統医学・アーユルヴェーダでは、食べ物の大切さを説いています。消化力も重要なコンセプトで、どんな食べ物をどう調理して食べるか、ということも大切になります。なるべく長期に保存していないものを、つまり新鮮な食材を、食べる前に料理して摂るのが理想のようです(もちろん、穀物やギーなど、例外もあります)。もう19年前になりますが、インド・ジャムナガールのアーユルヴェーダ医師(稲村晃江先生ご夫妻、現在大阪でご活躍されていらっしゃいます)のお宅を訪ねたときに、冷蔵庫を置いていらっしゃらないのが、とても印象的でした。
・・・となると、長期冷凍保存→チンして食べる、という現代の食生活は、アーユルヴェーダ的に言えば、どういうことになってしまうのか、と考えてしまうところです。さすがに、我が家には冷蔵庫がありますが、ちょっと「手間をかける」ことも大切なのでは、と思うのです。日本には、乾物など、すばらしい保存食品もあります。もどして、切って、煮て・・・手がかかることですし、時間もかかることですが・・・。
「台所薬局」という言葉があります。(我が家の台所の引き出しには、漢方薬や、切り傷のための軟膏や絆創膏、健康食品や医師に処方してもらった薬等が、ぎっちりと入っており、台所が本当に「薬局」もどきですが・・・。)口に入れる食べ物が薬にもなりうる、という視点から考えるとき、電子レンジの存在は、台所を薬局にするのか、あるいは単なる台所たらしめておくのか、はたまたそれ以下にするのか・・・科学的な研究が進むことを願いつつ、今日も蒸し器が活躍しています。